Takuya Kawanishi

1. 序論

1.1 講義の背景

  • 大量のデータの活用が当たり前の時代(データサイエンス)

  • 統計学の発展

  • 化学分析の取り扱いは, 多くの場合正規分布を仮定.

  • 正規分布の濫用

  • ノンパラメトリック手法, ブートストラップ法などの発展

  • Wilcoxon-Mann-Whitney, Brunner-Munzel

  • 工学の通常の教程では, 現代的手法が扱われていない

  • ノンパラメトリック, ブートストラップを使ってあらためて正規分布の仮定の意味するとことを知る.

1.2 講義の目的

  • 確率と統計の基礎用語を理解する.

  • パラメーター, 統計量, 推定量について定量的に記述できる.

  • 検定, p-値, 信頼区間について  * \(t\)-検定, ノンパラメトリック諸法, ブートストラップ法など, 様々な手法で計算できる.

  • 多変量解析, 一般化線形モデル, 時系列解析の基礎を学ぶ.

スケジュール

内容

1

イントロダクション

2

確率空間と分布・期待値

3

母集団と標本・記述統計量・標本平均・標本分散

4

実験データの解析

5

データに有意差があるとはどういうことか

6

非正規性, 非等分散性の場合 Brunner-Munzel

7

ブートストラップ

8

期末試験

  • 計測標準学 B では, 計測用語の基礎, 標準, 不確かさ, トレーサビリティ, 回帰, 分散分析, 統計学習の基礎, 等について学ぶ.

1.3 リソース

参考書

  • 中澤 港, R による統計解析の基礎(電子版, 無料)

  • 中澤先生が http://minato.sip21c.org/stat.html で無料で公開してくれている.

  • pdf へのリンクは http://minato.sip21c.org/statlib/stat.pdf

  • この本は R を用いているが, 講義では Python/Jupyter Notebook を用いる.

  • 教科書のほか, 講義ノートも重要である. 特に, 計測に関する部分, ブートストラップの部分は講義資料にのみ基づいて行うので要注意.

ツール

  • Jupyter Notebook/Python, Numpy, Scipy, Pandas

関連の日本工業規格

  • JIS Z8103:2019 計測用語

  • JIS Z8101-1:2015 統計ー用語及び記号ー第1部: 一般統計用語及び確率で用いられる用語

  • JIS Z8101-2:2015 統計ー用語及び記号ー第2部: 統計の応用

  • 上記は, kikakurui.com のサイトへリンクする. 図版はふくまれていない. JIS 本文を参照したいときは, 図書館に相談のこと.

  • JIS Z8103:2019 での改訂に取り込まれた, GUM, VIM3 の解説については, 文献 [1] を参照のこと.

[1] 今井秀孝, JCGM の役割と最近の活動状況, GUM と VIM の位置づけ, 標準化と品質管理, 71(2), 3–18, (2018)